目の前に糸の上があって ずっと歩いてきた
あとどれくらいあるのかとか
ふと考えては すぐに忘れて
戻れないと知ってるけど 振り返っては
ため息ついて前向いて
こんがらかってできた結び目を解けるほど
この手は器用じゃない
頭にきて 結び目を切り落として
いなくなった その結び目が
大事だったって気づくんだ
この糸の先はどこに繋がっているのかな
紙コップを耳に当てて 耳を澄ませたら
向こう側から 何か聞こえてこないかな
猫背をやめて 両手を伸ばして
綱渡り うまくやれるかな
糸がたわんでいたら うまく歩けない
でも 引っ張りすぎたら切れてしまうんだ
怖くなって しゃがんで糸に捕まるけど
散々泣き言言った挙句に 手が滑って
宙ぶらりん 一番ダメなヤツだ
こんがらかってできた結び目さえ 許せたら
愛しく思えたら
この糸の先はどこに繋がっているのかな
紙コップを口に当てて 向こう側の方へ
これから行くぞって 大声で叫ぶよ
猫背をやめて 両手を伸ばして
綱渡り うまくやれるよな
糸は一本じゃなくて 蜘蛛の巣みたいに
広がっていて
真珠みたいにキラキラ光る雨粒を
空に弾きながら行くよ
いつか伸ばした指先に 暖かいものが触れて
その手をぎゅっと掴んで
ふたり並んでバランスをとるよ
落ちるときも一緒だけど 登るとき手伝い合えるよ
いつか こんがらかった糸は絡まり合って
強さを増して
ちょっと跳ねたくらいじゃあ 大丈夫
そうしたら ちょっとだけ ちょっとだけ さぁ
走ってみたりしてみようかな
ちょっとだけ スキップなんてさあ
してみようかな